トルコドラマ Mother 15話h ハイライト シューレの心の中は? なぜメレクに会いたいのか?
シューレは今新聞記者のアリのところに来ていた。彼女はメレクを探していた。何か情報が得られると思ったからだ。今アリの家でシューレは電話で話している。彼女にしては珍しく優しい話し方だ。電話の相手は以前隣人だったゼフラ姉で、メレクを産むとき手伝ってくれたシューレにとっては母親のような人だった。シューレが仕事を始めると、ゼフラ姉がめんどうを見てくれていた。だがしばらくして彼ゼフラ姉はバンドゥルマからヨラヴァに引っ越した。シューレはどうやらゼフラをおとずれるつもりらしい。
アリは「旅行に行くのですか」とシューレに探りを入れた。
ヒューレは冷たくそれを退け、「私を助けるの助けないの?」
と質問し返した。
「助けるけれど、あなたの目的がわからない」とアリは言った。
シューレは「娘に会いたいのよ。なぜわからないの?」と答えた。
「そこまではわかったのだが、そのあとがわからない。そのあと自分のそばにおくのですか?」と聞くと、また「メレキを見たいだけよ」と同じ答えをした。もしかしたら彼女自身どうするつもりかわからないのかもしれない。
「私をとても恋しがっているわ。ゼフラ姉もメレキに会いたがっているわ。連れていくわ。それからまたつれてくるわ」と言うので、アリは
「ゼイネプさんに渡すのですか。彼女をあきらめますか?」
と聞くと、
彼女は新しく生活を始めたい、過去の悪い記憶を忘れたいといった。そのときシューレはジェンギズがメレクにした虐待の数々を思い出していた。おもちゃを棄てたり、ウサギを助けなかったり、口紅を塗ったメレクに対して半狂乱になったり数え上げればきりがなかった。シューレはジェンギズのすることを黙認していたのだ。母であると同時に女性でもあったのだ。さらにまたろくでもない男をパートナーに選んでしまったことは不運なことだった。そのことをシューレは悔いていた。彼女なりにメレクを愛していたから・・・。でもいつも悪い形で表現してしまうのだった。
もしジェンギズでなくもう少しやさしい人を好きになっていたら、メレクもシューレも今頃は仲良く暮らせていたのかもしれない。
ゼフラ姉のような人が近所にいてシングルマーザーのシューレを助けてくれていたら、先ほどシューレがゼフラ姉に見せたやさしさのようなものを、持ちつづけられていたかもしれない。
ともかくシューレは過去を悔いていた。メレクに対して悪いことをしたと思っていたし、メレクも自分のことを好いてくれていると確信していた。だからメレクを探し続けているのだ。
私はドラマを2度見た。このドラマには様々な母親像が描かれている。
以前このドラマを見たとき、シューレはしょうもないなあと感じたのだが、今回もう一度見て、シューレの母として変化していく様子が一番心に残った。母としてだけでは生きられないシューレは、メレクを傷つけてしまうが、でも同時にメレクを愛しており、最後の最期でジェンギズではなくメレクを選んだのだ。
シューレの屈折した愛情、心の中に抱える矛盾をシューレ役のGonca Vuslateri さんは見事に演じている。