キョセムの息子メフメトがオスマン皇帝に処刑される 新・オスマン帝国外伝~影の女帝キョセム~ シーズン1 E28の1
メフメトは処刑されることになった。ついにファトワーが下ったのだ。オスマンは黒い衣装で整髪をし終わったところだ。
オスマンの忠臣・オメルとキョセムの忠臣ジェンネトはもちろん意見が違った。キョセムがエスキサライへ左遷されたとき、ジェンネトは皇子たちを守
るためにあえて宮殿に残ったのだ。だがオメルはメフメトの命を奪うようにオスマンに皇帝に勧めていた。
こうしてメフメトは呼ばれた。秘密の通路の前にはズルフィキャルが待っていた。キョセムも走ってきて、そこから宮殿の中に入ろうとした。
アイシェとムラトは食事をしていた。メフメトの好きなスイート見て、メフメト兄に会いに行こうといった。だがもう部屋にはメフメトはいない。
キョセムは間に合うのだろうか?結局彼女は生きているメフメトの元へは行けなかった。宮殿の秘密の扉は閉められていたのだ。ちょうどその時にメフメトが宮殿内の廊下を通った。そして母の「メフメト」という叫ぶ声を聞いた。
ついにメフメトは自分尾氏が近いことを知りながらも、皇帝の前に出た。オスマン皇帝は初めての猟に行った時のことを話し始めた。オスマン皇帝が狩りの話をし終えた後「私を殺めるつもりですか?」と聞くと、オスマン皇帝はメフメトをだき
「私は約束を守った、だがあなたは・・・」というところで、4人の処刑人たちがはいってきた。メフメトは絞殺された。その現場を弟ムラトが見ていた。彼は走り姉のアイシェに抱きつき泣いた。
アイシェも泣いた。オスマンは部屋に戻り座り、一人涙を流した。
宮殿の門ではイェニチェリたちが騒いでいた。皇子さまを渡せと・・・中に入る兵士たち、そこへようやくキョセムも到着した。
父アフメト前皇帝があれほど悩みながらも、兄弟殺しの法に従わず、弟ムスタファを助けたのに、その子の時代にはもう元へ戻っていた。
ちいさなムラトも「決して許さない」と強い決意を姉アイシェにあらわした。ムラトは後の皇帝だ。彼は「母上はなぜ来ないの」と聞くと
「罠にかかりこれなかったのよ」とアイシェ姉が答えた。するとムラトは
「オスマン兄上は私をも殺すよね?」と聞いた。
そこへ弟たちが連れてこられ、これからは皇子たちはみな外出禁止だといわれる。そしてアイシェは戻るように言われた。帰るとき「弟たちをたのんだわ」と言いて出ていった。その時のムラトの「わかった」と目で答えた。そのときの瞬きする姿が私は忘れられない。
キョセムはメフメトにようやく会えた。床に横たわるメフメト・・・
「メフメト、息子よ。私の獅子、私の命、どうやってあなたをころせるというの?どうやって・・目を覚ましてメフメト」と声をかけるがもちろん返事はない。
キョセムは泣き叫びメフメトと呼び続けた。だが返事はなかった。
かわいそうなキョセム!かける言葉もない・・・わが子のように育てたオスマンに実の子を殺されてしまったのだから・・・
宮殿で不自由なく育って幸せそうに見える皇子たちは実はとてつもなく不安と恐怖の中で暮らしているのだ。
メフメトが亡くなった11日後、イスタンブルでは大雪が降り始めた。雪はとどまることなくまるで天が落ちてきたかのようだった。人々はオスマンのせいだと口々にうわさした。彼の罪の報いだそうだ。オスマンももしかしたらそうかもしれない、大雪によって神がオスマンを試しているようにも思えたのだった。
悲しい運命だ。兄弟仲良くできたらどんなにかいいのに。それがかなわないのが宮廷なのだ!