マルコチョールついに堪忍袋の緒が切れる オスマン帝国外伝シーズン3 91話 ハイライト

 バラがきれいだ。ミフリマーフはバラ園にいた。バラはスーフィズムでは最後の預言者を表しているといわれ、とてもトルコでは好まれている花だ。ミフリマーフはそのバラの美しさにも負けないくらい光を放っていたが、表情は辛そうだった。そのミフリマーフがマルコチョールを呼んだのだ。

結婚して何年もたつのにマルコチョールに何の用があるのだろう? ミフリマーフは

「貴方にお願いがあるの。ご存知のように、捜査がはかどらないままよ、誰も母を探すことはできないのよ。みんなあきらめたようだわ」と言うと、マルコチョールは悲しそうに

「皇女様」とつぶやいた。

するとミフリマーフは 「わかっているわ、あなたも同じ考えでしょう。でも私は受け入れることはできないわ。母に何が起こってどうなったかを知らなければならないのよ。あなただけが私を助けてくれるでそう」

と言った。マルコチョールは

「アリアーの他に何もわかっていることはありません。彼女までたどりつくことができません」と、期待に応えられなくて済みませんと残念そうに答えた。だがミフリマーフは負けてはいない。

「あなたならムラトアーを見つけたように、母も見つけ出せるわ、あきらめないで」と言いつづけた。(ムラトアーとはヒュッレムに手紙を渡しに来た人物だ。ムラトアーはアリアーに命じられた。そしてアリアーはハティジェの部下だった。だからハティジェは自殺した。)

だがその様子をリュステムが偶然みてしまう。そうとは知らずマルコチョールは

「ご心配なさらずに、皇女様、全力を尽くします。ですが忍耐強くならなければなりません。ながくかかるかもしれません」とやさしく答え、マフリマーフが「ありがとう」とお礼を言った途端

「マルコチョール!」とカラスのような怒鳴る声が聞こえた。そしてリュステムに

「我々に近づくなとお前に言ったよな。なぜいつも私の目の前に現れるのだ!」と言われると、マルコチョールはあきれた様子で軽くため息をつき、リュステムにな何も答えずに、「皇女様」と言って去ろうとした。すると

「返事をせよ」とリュステムが強引に止めた。マルコチョールは「目の前には皇帝の近侍がいるのです。私があなたに敬意をしめしているようにあなたも私に敬意を示してください」と初めて言い返した。

するとリュステムは私は「お前のように酒好きの女好きのやつには敬意などはらえぬ」とにくたらしく言った。とうとうマルコチョールの堪忍袋の緒が切れ、リュステムの襟をつかみ平手打ちをくらわそうとした。

するとニフリマーフが必死で「マルコチョール!やめて」と止めた。 

リュステムも「もし宰相に手を上げたらどうなるかな」と言った。

マルコチョールは自制心が強いのかよくわからんが、ここでリュステムを放し 怒りをおさえながら去っていった。(なぜぶたなかったんだろう?)

そのあと二人だけが美しいバラ園に残った。人間の醜さがその美しさをけがしているようにも見える。案の定二人の言い合いが始まった。リュステムはこのことを皇帝に話すというとミフリマーフは

「彼に罪はありません。私が呼んだのです。アリアーのことを自分で聞きたかっただけです。皇帝には黙っていなさい。もし彼に何かあったらあなたの仕業だと思うから」と言ってミフリマーフも怒っていってしまった。

そのあと宮殿の廊下でミフリマーフはマルコチョールに

「心配しないで、あなたに害を与えることはないわ。リュステムは皇帝にはななさないから」と話しかけるが、マルコチョールはただ

「お休みなさいませ、皇女様」と言っただけで行ってしまった。

マルコチョールはこの時どんな気持ちだったのだろう?この時にはもう彼の頭も冷え、リュステムのただならぬ嫉妬と憎悪に対して怒る気も消え失せ、あきれる気持ちが残っていただけだった。だからミフリマーフにも何も答える気もなかったのだ。こんなことに不本意ながらも係ることに100%嫌気がさしていたのだ。

そういえば以前からマルコチョールは故郷へ帰り前線で働きたいとスレイマンに申し出ていたが、この話はヒュッレム失踪事件でうやむやになっていた。

もともと強さだけがすべてというフロンティアで自由に戦っていた彼を、罠や中傷の多い宮殿に押し込むことはかわいそうなことだ。ともかくめんどうなリュステムの存在が彼が宮殿を去ろうとした理由の一つだったことは間違いない。

彼ではなくリュステムのような人物が宮廷を去っていれば、オスマン帝国ももっと長く反映できたのかもしれない・・・

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