トルコ ドラマ ファトゥマ 女性の勇敢さとは? Yazgülü Aldoğanさんの記事を読んで感じたこと

 ネットフリックスで今月公開されたトルコドラマですが、
かなりつらい内容でした。

そうじ係で自閉症の息子を持つ女性が主人公です。
彼女はそうじの仕事をして生計を立てていましたが、
夫は無実の罪で受刑し、つい先ごろ出所したのです。ところが彼はファトゥマの元へは帰りませんでした。そのためファトゥマ必死で夫を探します。
その途中で殺人を犯していしまいます。
ファトゥマは夫のことを信じていたのですが、実は彼は亡くなった息子の賠償金を手にし、逃げたのでした。そのことを知ったファトゥマは復讐に向かいます。
その間にもファトゥマは何人かの人を手にかけてしまいました。

でも彼らは一般には悪い人たちで、法ではなかなか裁かれない人たちだったのです。

ファトゥマの特徴は、誰にも気が付かれないような存在でした。
誰もそうじ係には気を留めません。ですから最初の頃は彼女が犯人だと誰も気が付かなかったのです。
最期は追いつめられたファトゥマは警察の屋上から身を投げて、車の上に落ちました。
彼女が生きているのか死んでいるのかはこのシーンではわかりません。
彼女は助かり刑を受けるのでそうか。それともこのまま・・・

ということで、なかなかスリリングなドラマでしたが、何も希望が見えない点が見ていてなんともやるせない気持ちになりました。

ところがトルコのYazgülü Aldoğan記者はこのドラマを絶賛していました。
https://www.cumhuriyet.com.tr/haber/fatma-dizisindeki-performansiyla-burcu-biricik-begeni-topladi-1832972

彼女の記事によると
トルコでは主人公を演じたブルジュ・ビリジクサンの演技が素晴らしかったと好評価しています。
記者は勇敢な女性と題し、

「社会の傷、女性に対する暴力、子供の虐待、幼くそて結婚する娘の苦悩、不正義のまかりとおる環境、運命的な貧困へ、近所の圧力、不公平な所得分配、そしてマフィアの支配」に対して問題を投げかけ、ファトゥマのそれらへ戦いを勇敢だったとファトゥマに拍手喝采を送っています。

私はこの言葉には何か違和感を感じました。多分様々な問題を提起するのは意味あることかもしれませんが、
その解決方法が結局マフィヤや権力者たちと同じ暴力という方法を用いているからです。

それを勇敢と評するのはありでしょうか?
記者の意見には同意できませんが、
ファトゥマというドラマの彼女の記事は勇敢さとは何か、
トルコでもいろんな社会的問題を考えるきっかけを与えてくれました。

トルコの社会問題をネットフリックスはドラマや映画でよく取り上げています。存在しないというわけではないと思いますが、あれほど暗い面ばかりではないような気もします・・・

できれば問題がある中でもトルコ人本来の明るさを表現した作品をネットフリックスでも見れたらなあと思いました。


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