言語の壁を作らないオスマン帝国の英知

つい最近まで私たちが母国語以外の言語を理解しようとすれば多少の時間を言語習得に割いていました。現在は日本では学校教育でも英語の学習に力が入れられていますが、
GOOGLEの無料翻訳サービスがありますので、未知の言語でも何を言っているのか何となくわかるという時代になり、本当に世界が広がりました。一時代前だったら考えられないようなことが起こっています。検索すれば1分で、いや10秒で、世界の各地の情報がすぐ手に入ります。
ところがWWWのない時代に、言語の壁をかなり少なくするシステムを作った国がありました。それがオスマン帝国です。彼らは言語だけでなく、他の分野でもかなり寛容な統治をしています。オスマン帝国の中で、どんな言語がどのくらい使われていたかを見るととても面白いです。
あのコンスタンチノープルを陥落させたメフメット2世でさえトルコ語(オスマン語)、アラビア語、ペルシャ語そしてギリシャ語も理解していました。軍人として彼は世に名をとどろかせたスルタンなのに、ほんとに素晴らしいですね
オスマン帝国には母国語で支配するという威圧的な態度はとらず、反対に自分が相手の言語を覚えようと考えるような土台があります。その風潮はどこから来たのでしょうか。それを考えると楽しいです。オスマン帝国は不思議な国です。

公文書
トルコ語使用
地域、民族によって一部またはすべての公用文書を、ギリシャ語、アラビア語を使用。トルコ語を各民族の言語に翻訳して伝達するシステムあり。
日常語
それぞれの民族の母語を使用
日常語
ムスリム系の母語
トルコ語、アラビア語、クルド語、ペルシャ語、ベルベル語、アルバニア語、クリム・タタール語
日常語
キリスト教系の母語
ギリシャ語、セルビア語、クロアチア語、ルーマニア語、ハンガリー語、シリア語(ネストリウス派)、アラビア語
日常語
ユダヤ教系
アラビア語、ギリシャ語、スペイン語(セファンディムイベリアからの難民)、ドイツ語(スレイマン大帝のハンガリーに進出後)文語としてヘブライ語を

言語の内容を見ないで言語を数えただけでも、すごいことになっているのが一目でわかります!
こんな国って今まであった?でしょうか!!
というわけで今回はスレイマン大帝がハンガリーを征服した後どんな政策をとったかの一端を紹介してみました。多言語化社会が機能する優れたシステムを持つオスマン人たちの築いたオスマン帝国をドラマでも味わえます。
ハナーがお伝えしました。

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