感想 オスマン帝国外伝2の1話から40話-アルミンの父、ヒュッレムの自由獲得そしてアイビゲ-

オスマン帝国外伝はトルコ好きのある知り合いから「ぜひ見てごらん」と勧められて見始めました。
オスマン帝国外伝シリーズ21話から40話を観て、3点が印象に残りました。それは
1つ目はマルコチュオウルとアルミンの愛
2つ目はヒュッレムの自由の獲得
 (azat etmek とは奴隷が自由を得るという意味のトルコ語)
3つ目はアイビゲのキャラです。

1つ目、
アルミンの父親がなぜあれほどまでに反対したのかというと、実はアルミンはユダヤ人だからです。トランプ氏の娘イヴァンカはクシュナー氏との結婚のためにユダヤ教に改宗していますが、外国人がユダヤ教に改宗するのは大変難易度が高く東大入試よりも難しいそうです。よほど頭のいい人でないと試験合格が難しいです。あるブログではオーソドックス派ではないですが、リフォーム派の場合の様子でユダヤ人になる経過がわかりやすく説明されています。ユダヤ人であることが非常に大切だと思っているイスタンブルに住むユダヤ人のアルミンの父親は娘をユダヤ人の人と結婚させたいという気持ちが強いです。日本に住んでいる私たちにはわかりづらいですが、父親の猛反対の行動の根底にはこういう理由があったんですね。
それでも父親は最終的にはそういうユダヤの常識的な考えよりも「アルミンの幸せは何か」を真剣に考えるようになります。彼女が病気になったことによって彼女の想い人に合わせるという苦渋の決断を彼はしました。その決断のおかげでアルミンは幸せを感じながら逝くことができたのです。
2つ目、
奴隷だったヒュッレムが一番欲しかったものは自由だったのですね。もちろんスレイマンは彼女の態度に怒ります。しかし息子たちと離れ離れになるという状況になってもヒュッレムは自由を手放しませんでした。ヒュッレムが獲得した「自由の身」は価値のあるものだと思います。多くの犠牲を払い(その方法には賛成できませんが)勝ち取ったとった自由!この時代にはめったにないことでしょう。宮廷で自由の身分の人はスレイマンとその妹と母だけでしょう。いやもう一人いました。40話ではじめて登場した私の好きなキャラクターのアイビケです。
3つ目はアイビケのキャラですが、生まれも自由、育ちも自由、そしてそれよって育まれた人格も好奇心旺盛で、自由奔放で、非常にアクティブです。彼女は王位継承問題で荒れているクリミアの王女であり、父は皇太后の兄弟サーヒブ・ギライです。つまり皇太后の姪にあたります。40話と41話では宮廷の常識に従わず、自分の意志を持って行動し人々を驚かせます。おちゃめなところもあるし、男装もしていて見慣れた宮廷の女性たちの中でひときわ輝いて見えます。やっと宮廷に新しい風が吹いてきましたが、宮廷の常識はかなり手ごわいに違いありません。ともかく彼女の登場はドラマを違った意味で楽しませてくれます。

ところで先日『すべての教育は「洗脳」である~21世紀の脱・学校論~ (光文社新書) Kindle版』という本を読みました。一言でいえば、「既成概念を見直せ」ということだったと思います。その一つの例として教育が取り上げられていましたが、「今自分が思っていることはどこでどうして出来上がったのか、その考えは誰からまたはどこから来た考えなのかと丁寧に自分自身に問いてみること」を勧めています。1話から40話で心に残ったユダヤの常識を破ったアルミンの父の行動や自由のために今までの宮廷の常識を覆したヒュッレムの行動はこの本の主題に通じるものがあると思います。
オスマン帝国外伝2を半分まで観て、ある人が持っている常識、既成概念を疑ってみることの重要性(重要性を知った後で行動を起こすかどうかは別として)をさらに強く感じました。

最後にアイビゲですが、彼女は私たちと同じようにもともと自由の身です。同時に身分以外の多くの不自由さも抱えている点でも私たちと同じです。ただ彼女はホリエモンと同じように、小さい時から既成概念を疑う態度が見についていました。その点で私とは違います。人は自分の持っていない何かに惹かれる傾向がありますが、私が40話のアイビゲを大好きな理由はそこにあります。できれば宮廷の女性のようにならず、今のキャラをアイビゲに持ち続けてほしいと思います。

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