キョセムは昨晩の襲撃事件をムラト皇帝には話さなかった。だがカシムはバヤジトに襲撃が失敗したとバヤジトに話したため、彼は不安になった。 バヤジトが先手を取り、皇帝に会いに行った。 そしてカシムとキョセムが手を組んで皇位を狙っていると言った。それだけではなくカシムがアヘンを使用していることや、その時自分の死んだ母を見たといっていることなどを話した。 皇帝はもちろんアヘンを禁止していたので、カシムに怒った。勿論カシムも負けてはいなかった。バヤジトが皇位を狙っていること、襲撃の影にはギュルバハルがいることなど力説したが、どちらも皇帝の心をとらえることはできなかった。 皇帝はどちらが本当なのか決めかねていた。次の日キョセムがきて メフメトパシャを自由にするようにといったが、皇帝は耳を貸さなかった。それどころか襲撃がキョセムの独り芝居なのではないかとさえ言った。 キョセムはこの時ムラト皇帝をあきらめたようだ。 何を言っても反対に取るムラトにキョセムは何もできなかった。 キョセムはギュルバハルを部下を総動員して探させた。そしてついに彼女がたまに来るという店の主人を見つけ出した。 キョセムはその晩ギュルバハルが来るだろうといわれた店へ出かけた。ギュルバハルは仕事を終え中から出てきた。外ではキョセム一行が待っていた。 こうしてギュルバハルとキョセムは対面した。