𐰋𐰇𐰼𐰇 𐰴𐰺𐰉𐰽𐰣 ボリュ カラバサンアニメ 「ウィッチャー 狼の悪夢」が トルコで人気? 古代トルコ語 突厥文字でも書かれてる!
𐰋𐰇𐰼𐰇 𐰴𐰺𐰉𐰽𐰣
ネットフリックスで「 狼の悪夢」 というアニメが放映されています。トルコでも大人気のようです。
なぜそう思ったかって?
実は残念ながらたいした根拠はないのです。ただ知り合いのSNSにこの文字が書かれてありました。
突厥もじを見るとなぜか興奮してしまい、皆さんにもシェアーしようと思いました。しばしお付き合いを・・・
皆さんはこんな感じの文字を見かけたことはありますか?日本ではあんまりみません。でも古代エジプト文字は有名ですね。
𐰋𐰇𐰼𐰇 は ボリュと発音します。
これは狼という意味なんですが 現代トルコ語では狼のことをクルト(kurt)です。
突厥にとって狼は特別の意味があり、当時の人々にはとても尊ばれていました。
𐰴𐰺𐰉𐰽𐰣 は カラバサン と発音します。
カラバサンは金縛りみたいな症状を表す場合もあり、ここでは悪夢と訳されているようです。
悪夢はカブズともいう言葉も使われます。
そういえばオスマン帝国外伝でスレイマン皇帝の妹がよく悪夢を見ていましたが、青のドラマではカブズというトルコ語が使われていました。カブズはペルシャ語由来の言葉です。
突厥語で面白いところはたとえば 子音の前後に来る母音によって子音の文字の形が変わるところです。
主に一つの子音に2つの文字が使われます。bとrの子音も2つづつあります。
たとえば ボル(ボリュ)をみてみますと、
𐰋𐰇𐰼𐰇
𐰉𐰆𐰺𐰆
bは 𐰋 と 𐰉
r は 𐰼 と 𐰺
それではここで問題です。
それぞれの単語に2つある残りの文字は何でしょうか。
その通り!
それらの文字は母音です!
𐰇 と 𐰆 は オまたはウと発音します。
𐰆 はほぼ日本のオとおんなじ音なんですが、𐰇は私たちには聞きなれない音です。現代トルコ語で ö と ü にあたります。
ö はオとウの真ん中の音なのでオにもウにも聞こえます。どっちかっていうとオかな?
ü はウともイとも聞こえます。どっちかっていうとうかな?
ちょっとめんどくさいと感じるかもしれませんが、ここは重要で、発音上トルコ語には母音調和というとても大切な規則があります。
これを知っているとトルコを早く覚えられます!してこの規則は8世紀の古代トルコ語でも現代のトルコ語でも、オスマン時代のトルコ語でもみな共通している規則なんです。
すごいですね!
たいてい言葉が変化して規則も変化していくものなのですが・・・
トルコ語の母音調和は前母音と後母音でグループ化します。
前母音はi,ü,ö,eは、後母音はı,u,o,a
です。
ですので、古代トルコ語の
𐰆 は後母音 u,o
𐰇 は前母音 ü,ö
ってことになるわけです。
ここまで大丈夫ですか?
OK!では子音のお話に戻りますね。
現代語では同じ文字を使いますが古代トルコ語では前母音と後母音にそれぞれフィットした文字を使っていたのでした。
bは 𐰋 と 𐰉
𐰋は後母音にフィットするb
𐰉は前母音にフィットするb
r は 𐰼 と 𐰺
𐰼 後母音にフィットするr
𐰺 は前母音にフィットする r
ということになります。
あんまりよい例ではないかもしれませんが今日覚えた文字を使ってみますね。
例えば日本語のぼろいを古代トルコ文字で書くと
𐰉𐰆𐰺𐰆𐰃
てなります。
oosaka 大阪は𐰆𐰆𐰽𐰴𐰀
です。
hana 花 は 𐰴𐰣𐰀
いかがでしたでしょうか?なんだか突厥文字が身近になりましたね^^
次回はカラバサンの文字のお話をしたいと思います。
お楽しみに