𐰓𐰀𐰾𐱃𐰀𐰣 デスターン 伝説 8世紀のトルコ物語 11話 ついにバトゥガがみんなの前で叫ぶ
彼らがいる場所は火の海になった。駆け付けた兄のテムルとサルトゥクが懸命に二人を助けようとするが、つながれている鎖を切ることはできなかった。
アックズ バトゥガそしてテムルとサルトゥクの4人はもうすぐ火に飲まれてしまうだろう。
ようやく二人がいなくなると安どしていたウルエジェの前をテムルの馬が走り去った。
彼女はテムルがあの火の中にいることを知り、テムルを助けようとした。だがテムルはバトゥガを置いて逃げるはずもない。そこで、ウルエジェは鎖のカギをヴァルガに届けさせた。
西空族の地の統治者はバラミルだった。バラミルはチョルパンハンのもとに潜んでいた。そのバラミルの代わりに、カヤを任命するが、反対する者がいた。アルパグは彼をみんなの目の前で首をはね、力づくでカヤをその地位につけた。
みんなの不満は高まる一方だったが、アルパグに異を唱えられるものはいなかった。チョルパンとバラミルは先に殺されたウイグルの長の子供を自分の仲間に引き寄せた。次第にアルパグの反対派が集結していった。
アックズとバトゥガを洞窟まで避難させたテムル達だったが、偶然二人が話すのを聞いてしまう。テムルは驚いた。図ううとかばってきた弟のバトゥガが嘘をついていたのだ。なぜ自分に真実を話してくれなかったのかとテムスは怒った。そしてバトゥガを殴りつけた。
バトゥガはもしテムルに話せば彼も同罪になると思い、自分が気が違っていないことを黙っていたのだ。
アックズとバトゥガをもう一度倒そうとヴァルガは弓隊を連れてきた。そしてアックズを狙い撃ちしようとしたその時、またまたテムルが現れた。彼は弟が嘘をついていたことには腹が立ったが恋人のトゥトクンを探すためにやってきたのだ。
なんだかテムルがいつも助けの神みたいになって出現する。彼がいるとヴァルがは手を出せない。なぜならテムルはウルエジェの息子だから。テムルは弟想いでいいやつだ。(思うに彼がハンになればいいのだが)
アックズたちはスルマの衣服を犬に嗅がせ、彼らを探していたのだった。ようやく3人が閉じ込められて拷問されていた場所にたどり着いたが、その時はすでにもぬけの殻だった。
そこには中国の僧からの書置きがあった。それには「もし友人たちを助けたいなら、空族の宮殿に来るように」と書かれてあった。
もしアックズが宮殿に戻ったら彼女の命はないだろう。でもアックズは友人たちを見捨てるはずもない。
そのころバトゥガも宮殿にたどり着いていた。バトゥガの帰りを喜ぶ父アルパグとギュルセリ。
アックズは宮殿に現れた。そして中国の僧はウルエジェの言う通り、アックズにこういった。「みんなの前で自分が双頭オオカミの爪だと公表せよ」と。
アックズがこの言葉を言うことは死を意味するのだが、彼女は友人たちを助けるために言おうと決心した。
そして・・・
アックズは捕まり柱に括り付けられた。弓矢が彼女を狙った。
ちょうどそこへバトゥガが現れ、「やめよ」と叫んだ。一瞬時が止まったかのようだった。誰もが驚いた。
一番驚いたのはアルパグだったろう。
ともかくこの一言でいったんはアックズは助かった。
だが今度はずうとと嘘をついてきたバトゥガが死に値するとウルエジェは言い出した。
うれしさと怒りが同時にアルパグを襲った。バトゥガは裁判を望んだ。アルパグは彼の望みを聞いた。こうして裁判が行われることになった。