本 『春に散る』 沢木幸太郎

原作では

四天王の呼ばれた世界タイトルに挑戦できそうな4人が喧嘩に巻き込まれ、黒木はその時彼らに殴られることに、

ところが妙なことに4人はその殴った若者をほっとおけず手当てする。

黒木は小さいうちから父親にボクシングを仕込まれ、今まで殴られたことがなく試合にはすべて勝ってきた。

自分を倒した一発が忘れられず、広岡たちを訪ねる。広岡はボクサーを引退後も長くアメリカに住んだ判定負けした後ドンどこまで落ちた時優しいホテルのオーナーに出会い、今はホテル業でそれなりに成功した人物となった。


心臓を患い日本に戻ってきたのだが、一緒に過ごした元ボクサーたちと一緒に住むことになり、そこへ黒木と不動産会社に勤めている数奇な過去を持つ佳菜子と住むことになった。

激しいトレーニングの結果令子の力を借りて、黒木は移籍し試合もできることになった。


復帰の一戦目は山越

2戦目は同じジムの大塚と戦った。

2戦目以後失明の恐れがある目の病気が発覚。

それでも、

3戦目チェチェン人のアフメドを相手に世界タイトルに挑戦した。

見事黒木は新チャンピョンに輝くが、戦い後すぐ病院へ運ばれ手術をすることに・・・


広岡は彼を見舞って帰る途中、桜の散る道を歩いていた。

そこで突然心臓の発作が!

いつもはなさず持っているニトログリセリンを探したが、ポケットにはなかった。

消えゆく意識の中で

後に心が残る何かをいだきながら、逝けることが幸せということなのかもしれないと広岡は思った。

確かにそうかもしれない。

今まで心残りがない方が安心して逝けるのではと思っていた私の考えを覆すような捉え方だった。

広岡は「・・・何かを手に入れるためでもなければ、何かを成し遂げるためでもなく、ただその場にとどまりたくないという思いだけで、ここまで歩き続けた。」のだった。

親や兄からも疎遠だった広岡だったが、日本に戻った1年の間、3人の元仲間とそして黒木と佳菜子と共に過ごした。

彼らのおかげで広岡はこの世から去るときに、この世に心を残す場所を得ていたのだ。

幸せとは心が残る誰かと生き、そしてその誰かを思いながら死ぬことなのかもしれない。

映画

「 春に散る」という横浜流星さん、佐藤浩一さん主演の映画が公開されている。

元ボクサー広岡と佐瀬と藤原が若いボクサー翔吾に出会い、世界タイトルを奪取するまでのお話で、広岡の姪佳菜子役に橋本環奈さんが出演している。佳菜子は翔吾を支え、のちに恋人になる。キャストは横浜流星(黒木翔吾) 佐藤浩一(広岡仁一) 橋本環奈(広岡佳菜子) 坂東龍汰(大塚) 松浦慎一郎(山下) 哀川翔(藤原) 片岡鶴太郎 (サセケン) 窪田正孝(中西) 山口智子(真田令子)と豪華なメンバーがそろっている。

原作では中西と黒木は本では戦っておらず、スパーリングの相手をしていた。

又佳菜子は姪ではなく、過去にカルトの教祖にされそうなため逃げている超能力を持った女性として描かれている。

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