ミフリマーフは大忙しだ。お客が来るため食事の用意の手配をしていたからだ。リュステムがエルカスを家に招待した。ミフリマーフとアルカスが初めて出会ったのはこの時だ。 二人は挨拶をかわした。リュステムも喜んでいた。ミフリマーフはファトマ皇女から話を聞いていたのでアルカスに少し関心を持ったようだ。 さて食事が始まろうとしていた。その前にアルカスはミフリマーフに贈り物をしたいといった。とても素敵なブローチを用意していた。それを渡しながら、二人を祝福する祈りをした。そのブローチをミフリマーフはとても気にいった。 アルカスは噂通りの人だった。アブドゥルラフマンエルジャーミの「あなたは私の傷ついた心にはいつもあなたが、目を開ければあなたが、遠くから誰が来ても私には彼があなたにみえる」という詩をペルシャ語で引用して、ミフリマーフを喜ばせた。ミフリマーフにはこの意味が分かったのだ。彼女はペルシャ語にも堪能だったようだ・・・ 続いてアルカスは 「そこに集まっていた者の一人が直ぐに質問します。そうですか、でももし現れたものがロバだったらどうするのですか?」と聞くと、 彼を見てエルジャーミは「たぶんそれはあなた自身です」と答えたそうです。というとミフリマーフは微笑んだ。 リュステムは二人を見て何やら気分がおかしくなった。彼にはもともと詩の素養などなく、ミフリマーフと文学を語り合うことはなかった。マルコチョールが去りリュステムの嫉妬は落ち着いたはずだったが、 「もう遅いです。我々はまだ話さなければならないことがありますから、皇女様」と言って、ミフリマーフをアルカスから遠ざけようとした。 「はいわかりました」と言ってミフリマーフが去ろうとしたときに、マフムードが急用できたといわれリュステムは出ていった。 残された二人の会話は進んだ。(でもこのようなことが起こるはずはなかった。当時しらない男女が二人密閉した部屋にいることは罪だったからだ。) ミフリマーフは贈り物をありがとう。とても価値あるものですね。私は花が大好きですの。一番すきなのは月桂樹の花ですわ」と贈り物のお礼を言った。 というと、 「はい存じております。そのためにプレデントしたかったのです」というとミフリマーフは「どうしてご存じなのですか?」と質問した。 アル