それはオスマン帝国外伝から始まった...

「ギュルフェム妃をみかけました。アフィフェ様と話していたのですが、聞いたところによると彼女は暁に出かけるそうです」 とファーリエが急いで入ってきて言った。 「どこへ？どこへいくというの？ 」 とヒュッレムは答えた。 「エディルネヘです。シャー様とともに行くということです」 とヒュッレムにはよくない知らせだった。ヒュッレムはとっさにいかりのことば 「のろわれろ」 と口走った。その一言は悔しさと恐ろしさとストレスがいっぱいのヒュッレムの今の気持ちを表していた。そして 「もちろんシャー様はこの機会を逃すはずがないもの。彼女がどんなふうに伝えるかはわかったものではないわ」 と言った。今までヒュッレムは二度ほど金欠で高利貸しからお金を借りたのだが、その証文がシャーの手にわたった。それだけではそれほどのもんだいではないかもしれないが、実は借りた相手が今戦争中のベネチアの商人だったのだ。 その証拠となる証文をもってシャーたちはエディルネに向かうということだった。 落ち着きを失ったヒュッレムにファーリエは 「これは私たちにとっても良い機会でもありますわ、皇帝妃様」 と妙なことを言った。彼女は続けた。 「もしエディルネに置くのであれば証文を持って行くはずです」 「わかったことには、他に道がないわけね」 と言ってすぐに行動を開始した。 まずは 「スンビュルに知らせて最も信用できるものたちを集めて。シャー様はエディルネには到着しないわ 」 と直ちに命じた。 「承知いたしました、皇帝妃様 」 とファーリエは答えたが、いったい何をするつもりだろう？ シャーたちは馬車で出かけた。馬車の中でギュルフェムが 「お許しください、でも私もハティジェ様と同じ考えです。皇帝様は今までヒュッレム妃がしたことすべて信じようとはしませんでした。今回もそうでしょう」 と言うと、シャーはきっぱりと 「これはしんじるわ。信じさせるためにできるだけのことはするするもりよ。ヒュッレムはもうこれ以上勝てないわよ。わかりますか？」 と言って　手に持っていた借用書を見せ 「これは彼女の死の証文となるわ。私が自分の手でこれを渡しますわ」 と言うと、納得したか納得しなかったかわからない様子でギュルフェムは頷だがいた。 だがその次の瞬間、馬車は襲われた。でも襲う側の人々の動きが何だかにぶい。

ハティジェはイブラヒムの墓を見つけられた？ ハティジェはまた夢を見た。この間の夢の続きのようだ。ハティジェが近づくと覆いをかぶった女性はこちらを振り向いた。 夢の話はこちら ハティジェはその顔を見た！そして目が覚めた。 起き上がってもハティジェはしばらく茫然としていた。そして大きくため息をつき 「ニギャール」 と言葉を発した。 夢に出てきた女性はニギャールだった。 ではやはりあの女性がたたずんでいた場所はイブラヒムのお墓か・・ 「あなたはしっていたのね」 とハティジェへは独り言を言い、その翌朝ニギャールはハティジェに呼ばれた。 ニギャールが部屋に入ってくるなり、 「皇女様、善きことでございますように、シャー様からわるいしらせはございませんよね」 と心配そうに聞いた。 「ないわ」 とハティジェは答え、ニギャールの方を向いた。 「彼女はまだ道の途中よ」(彼女はギュルフェムとエディルネに行った。) 「ではなぜ私お呼びになったのですか？何か御用でも？ 」 とニギャールが聞くと彼女は無言でニギャールに近づいた。なんとなく不気味で心配になって ニギャールは 「皇女様大丈夫ですか」 と尋ねた。するとハティジェは少しをついてから 「ニギャールハートゥン 」 と低い声で呼び、 「イブラヒムのお墓はどこ？決して、消して否定しようとしないで、あなたはお墓がどこかごぞんじよね、そうでしょう？私をそこへつれていって」 と静かにだが脅かすようなトーンで言った。 狼狽したニギャール。それでもどうにか 「私がどうして知っているのでしょう」 と答えた 。すると今度は少し大きな声で 「私にうそをいわないで、あなたは何度も嘘をついたわ、でも今回はだめよ。あなたを見たのよ」 「どのように？あなたは・・・私を・・・ 」 「ゆめでみたのよ」 「お墓のそばであなたが涙を流しているのを見たのよ」 「皇女様、おやめください。私はどのように知ることができるというのですか？誰が私に場所を教えるというのですか。それにそのようなお墓があるかどうかもあきらかではありません」 と頑張って言い訳をしたがハティジェは信じるはずもなかった。ハティジェはイブラヒムのお墓に行くことができるのだろうか？

ハティジェが眠っている。夢を見ているようだ。眼を開けた。そして起き上がろうとするが金縛りにあって、手足が自由に動かない。 するとドアが開いてマントにフード付きマントを来た謎の男が現れた。そしてハティジェのそばに寄ってきた。 不気味だ。ひょっとしてヒュッレムを困らせた黒い煙と同じようなものかもしれないものかな。そのものは 「ハティジェ」と声をかけた。そして左手を彼女の顔しかざして 「怖がるな」とささやいた。 金縛りにあっている者にそんないでたちで突然出てきて怖がるなと言うのは無理な話だ。ハティジェは息もできないようだった。でも どうやら女性らしい。女性の声だった。 手を取り除くと少し楽になったようだ。 謎の女性は 「知りたいことがあったら何でも聞きなさい」 と言った。ハティジェは苦しそうに 「イブラヒム、イブラヒムのお墓はどこ？」と聞いた。 するとまたその女性はハティジェの顔に手をかざし出ていこうとした。 追いかけようとハティジェは起き上がろうとした。 今度はおきあがれたので　彼女はその女性の跡についていった。 女性は森の中へ入っていった。ハティジェもはだしのままネグリジェで追いかけた。 謎の女性もはだしだ。その女性はある場所で立ち止まった。そして前にかがんだ。 ハティジェはその者に近づくが顔は見えない。 するとその者は背中をみせたまま立ち上った。 それからハティジェと呼ぶ声がした。その声はシャーの声だった。 シャーはハティジェがうなされていたので起こしたのだ。 ハティジェは夢の中で夢を見ていたのだった。 シャーの声でハティジェは目が覚めた。 シャーは 「大丈夫？」 と聞きそれから侍女にむかって 「水をちょうだい」 と命じた。 ハティジェは 「大丈夫よ、ただ悪い夢を見たの」 と真っ青な顔で答えた。 シャーは 「ほんとにこわかったわ」 と心配そうにいった。水を飲むとはティジェは少し落ち着き、横になった。 あの夢の中の謎の女性は誰だったのだろう？ そして女性がたたずんでいた場所はどこだったのだろう？

ハレムでは得意そうにシャーが女奴隷たちに給料を配っているところに立ち会っていた。ふつうはハレムの統治者がいる場所だ。 そこへハレムの統治者がやってきた。 そして 「ここで何をしているのですか」 とシャーに丁寧に聞いた。 「女奴隷たちに給金をしはらっているのよ 」 と答えた。ヒュッレムはアフィフェに 「なぜ私に何も知らせずに女性たちにお金を配っているのですか？」 きくと 「私がのぞんだことよ。自腹でね」 とシャーが即座に答えた。 「あなたの仕事でないことに係らないで」 とシャーに言い、それから 「私がハレムをとうちしているのですよ」と声を荒げて今度は女性たちにいった。 そしてシャーの方をむき 「規則通りにするのです。誰も、たとえ皇女さまでもハレムの規則を破ることはゆるしません」 ときっぱり言った。 するとシャーはそれよりもさらにはっきりとした声で 「女奴隷たちに一銭も払わずにハレムの規則について語るのですか？ハレムをあなたはこのように管理しているの、ヒュッレム？ このようなことがオスマン家の仕事になるとは・・」 と言うと 「答える義務はありませんわ」 と言ってアフィフェに 「お金をすべて戻させるように。そのあと直ちに私の命に従って配らせますから」 と命じた。アフィフェは従った。そしてシャーに 「彼女が正しいです。彼女の命令なしに給金を配られることはありません。私はヒュッレム様がご存知だとばかり思っておりましたから」 とヒュッレムを支持した。 シャーは 「みんなが困らないように助けようとしているだけですわ」 と声を張り上げて言った。そしてヒュッレムの方をみながら 「でもヒュッレムの驕りが邪魔しているのですね」 と言い放った。それからメルジャンにお金を集めて家にもってかえるように命じ、女性たちには 「すぐにでもヒュッレム妃がお金を配れるようにお祈りしなさい」 と言った。 なんとまあ、これはすべてシャーの筋書きどおりのだ。そうとも知らずヒュッレムはどんどんシャーの罠にはまっていくのだった。 ヒュッレムは必死で手立てを考えた。そしてラケルと言う女性にあった。ラケルは金貸しだ。 「あなたからお借りした金が盗まれたことをご存知ですよね」 もうすでにヒュッレムはお金を借りていたのだ。そしてそのお金も持ってくる途中に盗まれた。これもシャーの仕業だった。そもそもメルジャンを通じて

スンビュル画シェケルアーのところから戻る途中女性の悲鳴を聞いた。驚いてそばに行くと女奴隷が首からとを流して倒れていた。 そうなのだ、シャーの悪だくみは続いていたらしい。 悪い噂を流させただけでなく、今度は 給料のことで文句を言って牢に入れられた女奴隷が、殺されたのだ。 犯人はニギャールと話していた女奴隷だった。 眠っているヒュッレムは起こされた。そして 「すぐに調べなさい。もし朝までに犯人が見つからなかったすべての女奴隷は解雇されるわ」 すると第一発見者の女性の寝床の下にナイフが置かれていた女性が連れてこられた。彼女は無実を訴える。もちろん無実だということをヒュッレムもわかっていた。そして 「彼女をひそかに農場に連れていきなさい。すべての糧をじゅんびするように。でもみんなには彼女が死んだことにしてね」 ととても寛大な措置した。この女性はハレムから出されるが一生の生活が保障されたのだった。 アフィフェは不服のようだった。 だがヒュッレムは 「無実を知っているのに、その者に血を流させることはできないわ」 といった。 女奴隷はほっとした様子で感謝のお辞儀をした。 このことでヒュッレムはまた罠が仕掛けられたことに気づいた。 それにしてもシャーは恐ろしい。ヒュッレムを追い出すために罪もない女奴隷の命を奪うなんて・・・ シャーはいったい何を望んでいるのだろうか？

「ミフリマーフはなぜ皇帝におしらせしないのですか？」 ときくと 「遠征時にそのようなことで、彼をいそがしくさせることはできないわ。それに私は手立てを見つけたのよ。何も問題はなくなるわ」

海賊が出没していた。その対策を考えていたヤフヤーとムスタファだったが、 ムスタファがアランヤの海軍を使ってやっつけようという話をするとヤフヤーは 「いいお考えですが、皇帝様におはなししなければなりません」 と言った。ヤフヤーはいつも的確な助言をするが、ムスタファが暴走することがある。 そこへこの間マニサの宮殿にのこりたいと言ったルメイサが飲み物を持って入ってきた。 ヤフヤーは出ていき二人は部屋に残った。ムスタファは「水をくれ」という。 次のシーンではマヒデブランとアイシェが話していた。アイシェへはムスタファの娘の母だった。だが元気がない。そのことを気にかけたマヒデブランがフィダンにどうしたのかと聞く。どうやらムスタファと疎遠のようだ。 ファトマの子スレイマンの死後アイシェのこ　レルギスシャーがムスタファには生まれた。 シーンはムスタファの部屋。 ムスタファは素朴な水を飲んでから質問をした。 「なぜあなたは自由になって金持ちになってガブリエラと帰れるはずだったのに、ここに残ることをえらんだのだ？」 するとルメイサは 「前にお答えしました。私はあなたのハレムにいるのが幸せなのです」と答えた。 「知っているが、もし後悔したなら言いなさい。あなたを自由の身にして姉の元へおくるから。 ムスタファはほんとにすばらしい！　奴隷をなかなか解放することは当時でも難しかったはずだから。エレナを除いて彼のハレムで仕えている者たちはみな満足しているようだ。エレナはもともと自由人でハレムに配意射たのだが、マヒデブランやスレイマンに反対され、エレナ本人もムスタファにとってハレムにいることは危険だと判断し自分の家へ戻ったのだ。 彼女を除いて、ムスタファから市以外に去ったものは今まで登場していない。 ムスタファはハレムのどんな女性たちに対してもおもいやりがあり女奴隷の一人一人を、大切に思っているからだろう。その気持ちがみんなに伝わっているのだ。ルメイサもそんなムスタファに応えて 「ありえません。ただ私が死んだ時が別れる時です」 と永遠の忠誠を口にした。ムスタファは頷いた。 部屋の外に出たフィダンはルメイサに出会った。 何をしているのここで聞くと 「二―メトさんの具合が悪くて彼女の代わりに来ました。彼女が皇子に何か用事があるかを聞いてきてと言われたので」 すると 「あなたの仕事なの？さあはやく、皇

最強軍団を引き連れてきたのはソフィアだった。ゾンビ軍だ。その軍は何度倒されても起き上がってくるという不気味な軍団だった。ヤニスがなくなる前、秘密裏に結成させた強力軍団だ。だが不死身と言うわけではなく何度か倒されれば死を迎えるらしいが、痛みを知らないらしい。ただ死ぬまで戦い続ける戦闘人間マシンだ。 オスマンお敵は彼らだった。オスマンが何度倒しても彼らは起き上がってきた。不気味としか言いようがない。オスマンもついに力尽き倒れそうになりながら戦い続けた。 もう駄目だと思ったその時バムスが現れオスマンを助けた。コンガルも矢に撃たれて気を失っていたが、目覚めオスマンを助けた。 こうして何とかこのゾンビ軍団を退治できたのだが、オスマンは傷だらけだった。 オスマンを邑に運び介抱するが、重傷だったのでなかなか気が付かなかった。 一度気が付いたが、そのあとすぐまた気を失った。 その時看病していたバラがギュンドゥズを大声で呼んだ。テントに入り、そして出てきたギュンドゥズは 「オスマンが死んだ」と皆に知に知らせた。 カイのみんなが嘆き悲しむ中、クルジャヒサルの城にいるソフィアは大喜びで祝杯を挙げた。 アイギュルは精神病院へ行くことに、だがその途中でアイギュルを殺すようにとハザルは付き人に命じた。 だがアイギュルは途中逃げ出し、邑に戻り、ハザルを弓矢で狙った。そばにいたブルチンがハザルを助けようとして、身代わりになり倒れた。 ソフィアは援軍を頼んでおいたがその必要もなくなった。宿敵オスマンが死んだからだ。 その援軍は祝杯のさなかにやってきた。 喜びを分かち合おうとソフィアは彼らを歓迎した。 中に入ると、白い十字のマークのついたマントを来た援軍は、そのマントを宙に投げ捨てた。その時ソフィアの悲劇は始まった。 それを着ていたのはカイの勇士たちだったから。

エスマハンは元気になったようだ。そしてミフリマーフの蛾マルコチョールからもらった手紙を公表させた。　 この様子はこちらから それに気が付いたミフリマーフはエスマハンを訪れた。待ってましたとばかりにエスマハンは 「ミフリマーフ」 と得意げに言いながら出迎えた。 エスマハンはいつも彼女が来ている服より色が濃い目の紫のドレスを着ていた。首飾りは真珠だった。 「どうしたの」 とミフリマーフが微笑みがちに答えた。そして 「もしかしたら私を待っていなかったの？」 エスマハンはもちろん待っていた。ミフリマーフが激怒して入ってくるのを・・ でも 「いいえ、でもきてよかったわ」 とこたえた。そして 「服はどう？気に入った？」 と余裕の口ぶりで話しかけた。 「あなたがやったのでしょ？あの手紙を女奴隷たちにあなたが渡したのでしょう？」 すると振り返って、ミフリマーフに近寄り、 「拒まれるのは何てつらいことでしょう！前にはそのことをただ私だけが知っていたわ、でも今はみんながそれを知っているのね。ハレムはこのうわさでもちきりよ」 と言った。彼女はこういう形で仕返ししたのだった。 エスマハンは悪だくみはできない方のように思えたのだが、またまた私の期待を裏切った。 ところがミフリマーフは意外と冷静だった。 そして 「みんなに知れ渡ったのは確かよ。でも忘れていることがあるわ。マルコチョールさまと噂に上がったのはあなたよ、私ではないわ」 と言ったのだ。 え？え！ 「みんなはあなたに来た手紙だ考えているわ。そう考えるようにみんなをうながしたから・・・」 と言いながらあの出来事をミフリマーフは思い出していた。 ～～～ 女奴隷の一人が手紙を読み上げている途中ミフリマーフが来たのに気づく。ミフリマーフは女奴隷に、 「エスマハンの手紙がなぜここにあるの？ と言ったのだ。 わあ！そうか、 そういえば結婚話が出ているのはミフリマーフではなくエスマハンだったし、みんなには筋が通っている。そしてすぐにその手紙を取り上げたのだった。 それからほかの女奴隷たちに 「エスマ様の個人的な事柄について話すとはなんてこと！」 と言い、みんなにもそれがエスマハンへの手紙だと信じ込ませた。 ～～～～ そしてミフリマーフは 「ちっちゃな頭脳でこんな罠を仕掛けるなんて、わからないわ」 とあざけるように言った。するとエスマハンは頭が真っ白