トルコ俳優 セリム バイラクタル(バイラクターシュ)の変遷
セリム バイラクタルさんはトルコの俳優です。彼は劇場で鍛えられた発声、多彩な趣味、筋トレで鍛えた鉄のような強い精神力を持つ名優です
1975年6月生まれのバイラクタル(バイラクターシュ)さんは現在47歳ですが、鍛え上げられた体は20代に見えます。苗字のバイラクタルは、手を旗にもつ旗手という意味ですが、トルコ産のドロ-ンとも同じ名前ですね。
彼はイラクの首都バグダードの北にあるキルクークで生まれました。
なぜならトルコ人のお父さんが石油関係の仕事で、キルクークに出張して働いていたからです。お母さんはキルクーク人で、小学校はイラクで過ごしました。
その後トルコへ戻り高校の時演劇と出会います。兵役後県立の劇場で演ずることになります。
テレビには2006年に「橋」というドラマで初登場!しました。
オスマン帝国外伝 スンビュル役
そしていくつかのドラマ出演の後、私たちにもなじみのあるオスマン帝国外伝でスンビュル役を演じます。スンビュルは宦官で、はじめ主人公ヒュッレムと敵対していましたが、あることがきっかけでヒュッレムに生涯忠誠を誓い、宦官長にまで出世します。そして当時あり得ないだろうと思われる恋にも落ちました。セリムさんは多面にわたる状況で、様々な演技を披露してくれました。
オスマン帝国 皇帝たちの夜明け チャンダルル ハリル大宰相役
セリムさんは宦官だけではなくその後大宰相役も演じます。これは日本でもネットフリックスでまだ見ることができると思います。彼はメフメット2世の最初の大宰相であったチャンダルル ハリルという方を演じました。彼はメフメット2世と 彼の父ムラト2世の大宰相だったのですが、メフメット2世とは何かと意見が合いませんでした。チャンダルルは実力もあり、人々には慕われていたのにもかかわらず、メフメット2世がコンスタンチノープルを手に入れた次の日の5月30日にとらえられ、その後絞殺されてしまいます。
ドラマでは戦争中の様子が描かれ、チャンダルルは常にメフメット2世に和平を進言していました。その物おじしない姿からは宦官役のスンビュルを想像することはできません。実際は私も最初にこのドラマを見た時彼だとは気が付かないほどでした。
デスタン 伝説 アルパグ ハン(王)役
セリムさんはこのまま止まりません。しばらくしてデスタンというドラマで、ついに突厥時代の王役を演じます。堂々としていて冷血に見えて、実は愛するものを自分の手で葬った苦しみに悩む繊細な面を持つアルパグという王(ハン)をでした。
この役では劇場で培った少し大仰な演技が多分に生かされていました。
彼がスクリーンに出てくると、なぜか自然に彼に目が行ってしまうほど、ひときわ輝いていました。主役のバトゥガ(アルパグの息子)も圧倒されがちでした。
心のうた Kalenderカレンデル役
ということで今までは時代劇のセリムさんの演技をご紹介してきましたが、現代劇にも出演しています。最近放映された「心の歌」という映画ではなんと貧しい村の村人役をこなしていました。トルコの村の言葉は発音が少し変わっています。セリムさんもしっかり村のトルコ語をマスターしているようでした。彼の風貌は髪がぼさぼさで服はつぎはぎだらけ、そして喧嘩ぱやいという性質の癖のある村人を演じたのです。今までの役を一掃するような役柄でしたのでとてもインパクトがありました。
そういえば、セリムさんは去年TRTの音楽番組もゲストとして出演していましたが、この映画でも彼の音楽的才能を感じる場面がありました。
ということで
今日はトルコ俳優セリム バイラクタル産についてお話させていただきました。
セリムさんの演技には、毎回毎回新しい何かを発見できるので、次回の作品がとても楽しみです。
新しい作品を日本でも観られることを祈って、今日はこの辺で失礼いたします。