55話前半 驚いた小姓頭。彼はヒュマーシャーを慕っていたばかりでなく、目の前でハサンパシャの暴挙をみててしまったのだ。 皇帝はヒュマーシャーが心変わりをしたかも知らず、オーケーするしかなかった。 小姓頭は複雑だ。頭がごちゃごちゃでバルコニからぼーよ景色を眺めていた。そこへヒューマシャーは最後のお別れを言いに来た。 「皇帝をあなたにまかせたわよ…」 といって立ち去るヒュマーシャーに小姓頭は 「皇女様」と呼び止める。 「ハサンパシャと御戻りになりたくないことを存じています。なぜそうなさるのですか」と聞くと、 「あなたに秘密を打ち明けたら、秘密を守れますか?」と言うと、彼は頷く。 秘密って?ノートのことかな? 「母のために行かなければなりません。私もここにとても残りたかったですわ。」とこたえた。ノーtのことはやはり話さなかった。 こうしてヒュマーシャーはあっけなくカイロへ戻った。 ハレムにはしばしの平安が訪れた。ついにキョセムがハレムを管理することになった。母后の部屋に移る許可も皇帝は出す。 だが 「誰も信じていません。ただ生きつづけているだけよ。時が来たら皇太子を皇位につけるためにできることは生きることよ。」 とキョセムの皇太子たちを見ながら ハリメが 付き人にかたる。 そうなのだ、ここに隠れた敵がいた。 ハリメだ。 彼女は後に最大の敵になる。 サフィイェはイスケンデルに会う。見つめ続けるサフィイェ。 彼女はお礼を言う。 「時々来てほしい」とイスケンデルに頼む。 だがサフィイェは息子だと彼に打ち明けなかった。今はその時ではないと考えていた。 ビュルビュルは「ヒュマーシャー様もいなくなってこれからどうするのですか」と尋ねると、 「待つのですよ。まち続けるのです。以前のような力を蓄えるまでbね。そして私の息子を皇位につけるのよ」 今は家来も財産もなくしてしまったサフィイェだったが、彼女にはイスケンデルと言う希望ができたのだった。 部屋を映るキョセム。名実ともに彼女はハレムのトップについた。金の刺繍入りの深紅のドレスがキョセムには似合う。 一方ムスタファの部屋では奇妙なことがおこっていた。 ピンハナと話をしているムスタファがみえる。ピンハナって誰だろう? ピンハナは 「皇帝は悪い