皇帝たちは遠征に出かけた。 その後でシャーがヒュッレムを家に呼んだ。 家というのはハティジェとイブラヒムが住んでいた家だ。 シャーはハティジェがマニサへ行ったあとそこに移り住んだ。 (スレイマンの許可を取ってだが、) 夕食に招待した。 だがヒュッレムは食べ物にとても注意している。付き人の毒見をさせながら料理を食べていた。以前ヒュッレムは毒殺されそうになったことがあるので、気を付けているのだ。 それをシャーがみて面白がっているようだった。 シャーがハティジェの家に住んでいることをそれとなくヒュッレムはおかしいと伝えたが、シャーにはもちろん伝わらなかった。 「ここはもちろんハティジェの家よ。戻った時にはここへ彼女は住むわ」 と平気で言いながら笑みを浮かべた。 料理室では シェケルアーが新しいアーモンドスープに挑戦し、それをスンビュルに飲ませる。 スンビュルはまずがった。 そこへマニサからハリルという使者が来たというので、会いにいった。 その知らせを聞いた後、スンビュルはヒュッレムの元へ向かった。 スンビュルはとても急いでいる様子だった。 ハティジェの家に住んでいるシャーの家についた。 だがメルジャンが止め、待つようにいった。 メルジャンはスンビュルが来たことを知らせにシャーの元へいく。 入る許可が下りたので、 スンビュルは慌ててヒュッレムに耳打ちすると、ヒュッレムの顔色が変わった。 そしてすぐサライに戻らなければならなくなったと慌てて戻っていった。 いったいどんな知らせだったのだろう? シャーはすべてを知っていたが、知らないふりをしてヒュッレムに対応していた。 ヒュッレムはサライに戻った。 リュステムが送ったというハリルに直ちにあった。 ちょうどそのころシャーの元にもマニサにいるハティジェから手紙が来た。 ヒュッレムはあの男がどれくらい信用できるかをスンビュルにきく。 スンビュルは 「信頼できます」 というと、こわいこえで 「すぐにムスタファパシャを呼びなさい」 と命じた。 いったいほんとうに何が起こったのだろうか? 彼は今回の遠征にも参加を許されず、帝都の留守居役にも選ばれなかった。 ムスタファが何かしたことは確かだ。