𐰓𐰀𐰾𐱃𐰀𐰣 デスターン 伝説 8世紀のトルコ物語 5バラミルの双頭狼の爪探し
真の双頭狼の爪は誰? ☾☆☾☆☾☆ バトゥガは二度もアルパグハンの命を狙おうとした白少女に、復讐のためにではなくトルコ民族の統一を考えろと諭した。 もちろん父や多くの仲間を失い、さらに20年もの間経済制裁を受けてきた山族の恨みはそうたやすく消化できるものではないが、白少女はバトゥガの言うことに耳を傾け始めたようだ。 ☾☆☾☆☾☆ 話しているうちに彼こそが亡き父話に出てくる双頭狼の爪であると直感し、バトゥガに忠誠を誓うのだった。 ☾☆☾☆☾☆ だがバトゥガは「手もない足もないこんな私がハンになれるはずがない」というと、白少女はきっぱりと否定した。そして「あなたをかわいそうだと思ったことは一度もないあなたには空族の魂があるわ」と答えた。そういえばだれもがバトゥガを憐みの目で見ていたが、彼女だけは違っていることにバトゥガは気が付いた。彼女の励ましで、バトゥガは変わったように見える。自分自身が何もできないと考えていたバトゥガにとっては転機となった瞬間だろう。 ☾☆☾☆☾☆ある儀式の途中にアルパグハンが鷹を手に止め、足に結び付けられていた手紙を読み始めた。 その様子を見ていた白少女はぴかっとひらめいた。そしてその浮かんだ考えを確かめるためにバトゥガのところへ向かった。そしてあることを確かめた。母が刺されたあの悲劇の晩のことを思い出させた。あの時手紙はどのように来たかと問うのだった。バトゥガはハトが手紙を持ってきたと答えた。