𐰓𐰀𐰾𐱃𐰀𐰣 デスターン 伝説 8世紀のトルコ物語 空族の王子と山族の少女の物語 3の1 牢屋にいれられた山族の娘たち
突厥青族の長の妻ウルエジェが白少女を牢に入れようとしたが彼女の息子テムルは反対した。白少女が弟のバトゥガを救ったと思ったからだ。テムルはとてもつよいが弟思いだ。今までも何度もバトゥガを助けてきた。 ウルエジェと テムル 空族の長の兄バラミルは巫女に彼は後継者ではないことを言われたばかりだ。その屈辱に対して断固として反論した。長が倒れたいまこそ自分が継承者だといい捨てその場を去った。 命を免れた白少女は先に仲間たちが入れられた牢へ連れていかれた。そこでは仲の良いスルマがうずくまっていた。白少女を心配していたのだ。それだけでなく結婚寸前だったスルマは、婚約者が傷つき倒れたのを見た。その後二人は別れ離れになった。一人は山の地で。もう一人は空の地に捕虜として連れてこられたのだ。 牢にはもう一人仲間がいた。というか山族の長の重大な使命を果たすべくこの空族の宮殿へ送り込まれたトトゥクンだ。使命のために彼女は牢にいながら平然としていた。 牢ではネズミが多発し大変なことになったが、それを何とか解決した白少女は、ネズミが行き来する穴を見つけた。穴をのぞいてみるとそこには人間の目が! そしてその目は白少女を見ていた。 バトゥガだった。 穴の向こうではバトゥガが、そして穴のこちら側には白少女が座って今までのことを語り合った。 捕らわれの身になった白少女はスルマとヤマンの3人で草原を馬で駆け抜けたことを話した。自分たちがいかに自由だったかを彼女はこの時強く感じた。 バラミルはどう突厥の長の座につきたかった。そこで彼は宮殿の様子を記した密書を部下の待機している陣営にひそかにおくった。持っていったのは娘の侍女だ。 テントで待機していた部下たちだったが、侍女の後をつけていたものがいた。テギンたちだ。バラミルの一派は二人には気づかなかった。 ウルエジェはバラミルの態度に危機感を感じた。そこで麻薬を飲ませ彼を眠らした後、彼を亡き者にしようとしたが、そこへちょうどアルパグハンが現れた。彼は意識不明だったが、歩けるようにまでなっていた。 アルパグハンは彼女を止めた。バラミルはトルコの平和のためにも生きていなければならないというのだ。 ☾☆☾☆☾☆ 窮地に陥った山族の長 青族の宮殿の門をくぐるものがいた。顔つきはかなり硬い表情だ。 山族の長 チョルバンだ。彼女双頭狼の爪をかくまった罪に問われてここに